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ガザ 欄外の声を求めて FOOTNOTES IN GAZA

漫画

著 ジョー・サッコ
訳 早尾貴紀

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2024年10月初旬発売予定
判型:B5変(182mm×242mm)/並製/432ページ
ISBN978-4-911273-01-2 C0036
定価(本体2,300円+税)
ブックデザイン 勝浦悠介

コミック界のアカデミー賞「アイズナー賞」受賞作品

世界屈指の風刺漫画家による芸術的ジャーナリズム


人間を問う、小さき声。

1956年、ハーンユーニスで275人、ラファハで111人のパレスチナ人がイスラエル兵に射殺された。
無数の公文書の奥に埋もれた凄惨な大虐殺事件に着目したコミック・ジャーナリストが、
徹底的な独自調査により、ガザ地区の過去と現在、悲劇の本質を浮かび上がらせる。



[漫画で学ぶパレスチナ/イスラエル問題]

「ジョー・サッコの素晴らしくも痛ましい戦争ルポルタージュは説得力がある。一冊の本が私たちの人生にとっていかに重要かを教えてくれる」――「ニューヨーク・タイムズ」
「サッコの仕事にはほとんど前例がない。唯一無二の存在だ」――「ニューヨーク・レヴュー・オブ・ブックス」
「現代史を記録するシーケンシャル・アートの妥当性を世界に宣言する説得力のある傑作」――「ワシントン・ポスト」
「絶望的な状況に追い込まれた民衆を描いた、時代を超越する肖像。これまでにないジャンル。コミックス形式のジャーナリズムにおける天才的な作品」――「ロサンジェルス・タイムズ」


 私がガザ地区にいた頃、1956年の出来事に関する私の研究を、若い人たちはしばしば訝しげに見ていた。まさにいま自分たちが攻撃され、家が取り壊されようとしているのに、歴史にこだわることが何の役に立つというのか。しかし、過去と現在をそう簡単に切り離すことはできない。過去と現在は、残酷なまでに連続体をなす一部であり、歴史における曖昧な領域なのだ。おそらく私たちは、こうした脈打つ前進運動を凍結させて、ひとつかふたつ事件を検証するのが大事だと思う。というのも、そうした事件を生き抜いた人びとにとって災難であっただけでなく、憎悪が彼らの心に「植えつけられた」理由と方法を理解したい人びとにとっても有益だからである。
(「はじめに」より)


[著者プロフィール]
ジョー・サッコ Joe Sacco
1960年、マルタ島生まれ。コミック・ジャーナリスト。戦争ルポルタージュ漫画の作家、芸術家として広く認められており、「ディテールズ」、「ニューヨーク・タイムズ」、「タイム」、「ハーパー」など各誌に漫画によるリポートを発表してきた。著作は14か国語に翻訳されている。1991年から92年にかけて現地を取材して刊行したコミック『パレスチナ(Palestine)』[日本語訳は小野耕世訳、2007年/特別増補版、2023年]はアメリカン・ブック賞を受賞し、ボスニア紛争をテーマにした『安全地帯ゴラジュデ(Safe Area Goražde)』[未邦訳]はアイズナー賞を受賞した。また同書は2000年に「ニューヨーク・タイムズ」の注目書籍、「タイム」誌のベスト・コミックに挙げられた。2009年に刊行された本書『FOOTNOTES IN GAZA』はアイズナー賞ほか、アングレーム国際漫画祭・世界観賞、ライデンアワー・ブック賞、オレゴン・ブック賞などを受賞。2023年、マルタ大学より文学博士号を授与された。現在、オレゴン州ポートランド在住。

早尾貴紀 Takanori Hayao
1973年生まれ、東京経済大学教員。パレスチナ/イスラエル研究、社会思想史研究。ヘブライ大学客員研究員として2002-04年(第二次インティファーダ期)に東エルサレム在住、その間に西岸地区、ガザ地区、イスラエル国内でフィールドワーク。著書に『パレスチナ/イスラエル論』、『ユダヤとイスラエルのあいだ』など、訳書に『パレスチナの民族浄化』イラン・パペ(田浪亜央江との共訳)『ホロコーストからガザへ』サラ・ロイ(岡真理、小田切拓との共訳)などがある。

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